お悩みQ&A

「日常生活について」
「ご家族ができるサポート」は
婦人科がんのお悩みQ&Aをご覧ください。

治療の流れについて
教えてください

A
進行期や組織型などにもとづいて検討されます。子宮体がんは手術前に正確な進行期を判定することが難しいため、原則としてまず手術を行い、手術進行期分類と予測される再発リスクから、その後の治療方針を検討します。
詳細は「子宮体がんと診断されたら」「あなたにあわせた治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
手術で摘出した組織の特徴やがんの広がりから、再発リスクを予測します。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
科学的な根拠にもとづいて、現在の「最良の治療」であることが示され、多くの方に行われることが推奨される治療のことです。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 「標準治療と診療ガイドライン」(https://ganjoho.jp/public/knowledge/guideline/index.html、2024年9月確認)

A
「セカンドオピニオン」を利用して、現在診療を受けている主治医以外に、別の医療機関の医師の意見を聞くことができます。
詳細は「セカンドオピニオン(第2の意見)」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 「セカンドオピニオン」(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/dia_tre_diagnosis/second_opinion.html、2024年9月確認)

手術について
教えてください

A
子宮体がんの治療は、原則としてまず手術を行います。合併症や年齢を考慮して手術が適応とならない場合は放射線治療、手術による切除が不可能な進行性の場合は薬物治療を行うことがあります。
詳細は「子宮体がんの治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
病変が子宮体部に限局した早期の子宮体がんでは、腹腔鏡やロボット手術を行うことがあります。お腹に小さな穴を4〜5ヵ所開けて、そこから手術用のカメラや器械を入れて手術を行います。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

A
手術後に正確な進行期を判定するために、リンパ節を摘出することがあります(リンパ節郭清かくせい)。近年、センチネルリンパ節(最初に転移が生じると考えられるリンパ節)への転移の有無を手術中に病理診断し、転移がない場合はリンパ節郭清を省略する検討が進められています。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
一人ひとりの状態にあわせて、薬物治療や放射線治療が検討されます。
詳細は「子宮体がんの治療方針」「進行子宮体がんの治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
子宮体がんの手術は、その範囲によって手術後の経過が異なります。卵巣欠落らんそうけつらく症状や便秘、リンパ浮腫などがあらわれることがあります。気になる症状があるときは、我慢せずに主治医や医療スタッフに相談しましょう。
詳細は「手術後にあらわれる主な合併症・後遺症」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 子宮体がん(子宮内膜がん)「子宮体がん(子宮内膜がん) 治療」( https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/treatment.html 、2024年9月確認)
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

薬物治療について
教えてください

A
子宮体がんの治療では、細胞障害性さいぼうしょうがいせい抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、ホルモン薬などが使用されることがあります。
①細胞障害性抗がん薬
増殖が盛んながん細胞に対して治療効果を発揮します。プラチナ製剤やタキサン系製剤があります。
②免疫チェックポイント阻害薬
がん細胞に対するからだの免疫機能を高めます。
③分子標的薬
がん細胞の増殖や血管新生に関わるタンパク質を標的としてがんを攻撃します。
④ホルモン薬
エストロゲンの作用を抑制する黄体ホルモン製剤があります。

A
手術後の再発リスクが中リスク以上であったり、手術による切除が不可能な進行性や再発の場合に薬物治療を行うことがあります。
詳細は「子宮体がんの治療方針」「進行がんや再発がんの治療」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
手術や生検などで得られた組織を用いてがん遺伝子検査を行い、その結果にもとづいて治療薬を選択できる場合があります。子宮体がんでは高頻度マイクロサテライト不安定性/DNAミスマッチ修復機能欠損という遺伝子の変化を示す頻度が高いことが知られています。また、腫瘍遺伝子変異量が高い状態が一定割合でみられます。
詳細は「治療薬を選ぶための検査」をご参照ください。
【参考資料】
Akagi K, et al. Cancer Sci 2021; 112: 1105-1113

A
現在多くの薬剤で外来通院による治療が可能となっています。治療方針については主治医とよく相談しましょう。

A
使用する薬剤によって、吐き気や嘔吐、骨髄抑制こつずいよくせい、脱毛、免疫機能の過剰な働きによる副作用などがあらわれることがあります。気になる症状があるときは、我慢せずに主治医や医療スタッフに相談しましょう。
詳細は「薬物治療であらわれる主な副作用」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 子宮体がん(子宮内膜がん)「子宮体がん(子宮内膜がん) 治療」(https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/treatment.html 、2024年9月確認)
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

放射線治療について
教えてください

A
手術後の再発リスクが中リスク以上であったり、手術による切除が不可能な進行性や再発の場合に放射線治療を行うことがあります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版, 金原出版, 2023

A
皮膚炎や宿酔しゅくすい症状、骨盤部に放射線を照射する場合は下痢や血尿、下血、腸閉塞(イレウス)などがあらわれることがあります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

その他に注意事項があれば
教えてください

A
再発を予防する方法は今のところ確立されていませんが、心身を健康な状態に保つために生活習慣や食事習慣の改善はとても大切なことです。また、がんの再発を発見するために定期的な受診が必要です。主治医とよく相談しながら、日々の生活を送りましょう。
治療終了後の受診目安については「治療が終了した後の通院期間」をご参照ください。

A
ご自身で判断せずに、主治医や医療スタッフに連絡して対応を相談しましょう。我慢せずに症状を伝えることがとても大切です。
治療中・治療後にあらわれる症状の具体例は「治療による副作用」をご覧ください。
  • 再発

    手術や薬物療法、放射線治療などの治療により、検査でがんがなくなったことを確認した後、再びがんが現れることをいいます。

  • 標準治療

    科学的根拠(エビデンス:あるテーマに関する試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な裏付け)に基づいた観点で、現在利用できる「最良の治療」であることが示され、多くの患者さんにおこなわれることが推奨される治療のことをいいます。

  • リンパ節

    身体全体にある免疫器官のことをいいます。全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあり、細菌、ウイルス、がん細胞などがないかをチェックし、免疫機能を発動する「関所」のような役割を持ちます。

  • リンパ節郭清

    手術の際に、がんを取り除くだけでなく、がんの周辺にあるリンパ節を切除することをいいます。がん細胞はリンパ節をとおって全身に広がっていく性質があるため、がんが転移している可能性がある部分を取り除いて、再発を防ぐことを目的としておこないます。

  • 転移

    がん細胞が最初に発生した場所(原発巣げんぱつそう)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。

  • 病理検査/病理診断

    身体の一部分から採取した細胞や、病変の一部を薄く切り出した組織を顕微鏡で観察することにより、がんかどうか、どのような種類のがんかなど、細胞や組織の性質を詳しく調べる検査のことをいいます。

  • リンパ浮腫

    何らかの理由でリンパ液の運搬能力が低下してリンパ管に回収されず、組織にリンパ液がたまってむくんだ状態のことをいいます。

  • 生検

    病変の一部をとって、顕微鏡で詳しく調べる検査のことをいいます。手術や内視鏡検査時に採取したり、体外から細い針を刺して採取したりする方法があります。

  • 遺伝子検査

    遺伝子情報を知るためにおこなう検査のことをいいます。一部のがんでは、がん組織中の遺伝子を調べる検査、親から受け継いでいる遺伝子を調べる検査がおこなわれます。患者さん一人ひとりに適した個別化医療のためには、遺伝子検査の情報が必要となることがあります。

  • 骨髄抑制

    がん治療の副作用やがんそのものによって骨髄の働きが低下し、血液細胞を作る機能が低下している状態のことをいいます。

  • 腸閉塞(イレウス)

    腸の炎症により本来はくっついていないところが部分的にくっついてしまったり、がんによって腸がつまるなどして、腸の動きが低下し腸管のとおりが悪くなる状態のことをいいます。便やガスが出なくなり、お腹の痛みや吐き気、嘔吐などの症状が出ます。中でも腸の動きが悪くなることによって起こる腸閉塞をイレウスといいます。

「婦人科がん.jp」を
離れます

リンク先についてのお問い合わせは、
それぞれのお問い合わせ先にご連絡ください。

ご意見ありがとう
ございました