お悩みQ&A

「日常生活について」
「ご家族ができるサポート」は
婦人科がんのお悩みQ&Aをご覧ください。

治療の流れについて
教えてください

A
各種検査で判定された進行期や組織型などをもとに、一人ひとりの状態にあわせた治療方針を検討します。
詳細は「子宮頸がんと診断されたら」「あなたにあわせた治療方針」をご参照ください。

A
摘出した組織の特徴から再発リスクを予測します。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022

A
科学的な根拠にもとづいて、現在の「最良の治療」であることが示され、多くの方に行われることが推奨される治療のことです。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 「標準治療と診療ガイドライン」(https://ganjoho.jp/public/knowledge/guideline/index.html、2024年9月確認)

A
「セカンドオピニオン」を利用して、現在診療を受けている主治医以外に、別の医療機関の医師の意見を聞くことができます。
詳細は「セカンドオピニオン(第2の意見)」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 「セカンドオピニオン」(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/dia_tre_diagnosis/second_opinion.html、2024年9月確認)

手術について
教えてください

A
進行期Ⅰ期では手術、進行期Ⅱ期では放射線治療、同時化学放射線療法、手術が、根治を目指した治療選択肢として検討されます。
詳細は「あなたにあわせた治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

A
骨盤内のリンパ節はがんが転移しやすい場所のため、病変とあわせて骨盤内のリンパ節を取り除くことがあります(骨盤リンパ節郭清かくせい)。また、卵巣転移のリスクを考慮して、卵巣の摘出を検討することがあります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

A
一人ひとりの状態にあわせて、放射線治療や同時化学放射線療法、薬物治療が検討されます。
詳細は「進行期Ⅲ〜Ⅳ期での治療方針」「再発子宮頸がんの治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022

A
子宮頸がんの手術は、その範囲によって治療後の経過が異なります。便秘やリンパ浮腫などがあらわれることがあります。気になる症状があるときは、我慢せずに主治医や医療スタッフに相談しましょう。
詳細は「手術後にあらわれる主な合併症・後遺症」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 子宮頸がん「子宮頸がん 治療」(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html、2024年9月確認)
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

薬物治療について
教えてください

A
子宮頸がんの治療では、細胞障害性さいぼうしょうがいせい抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬などが使用されることがあります。
①細胞障害性抗がん薬
増殖が盛んながん細胞に対して治療効果を発揮します。プラチナ製剤やタキサン系製剤があります。
②免疫チェックポイント阻害薬
がん細胞に対するからだの免疫機能を高めます。
③分子標的薬
がんに栄養や酸素を運ぶ血管の形成に必要な物質(血管内皮細胞増殖因子)に作用して、がんの成長や増殖を抑える血管新生けっかんしんせい阻害薬があります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022

A
手術による切除や放射線治療による根治が不可能な転移性や再発の場合に、薬物治療を行うことがあります。
詳細は「進行期Ⅲ〜Ⅳ期での治療方針」「再発子宮頸がんの治療方針」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022

A
⼿術や⽣検で得られた組織を⽤いて、標準治療が終了または終了⾒込みの⽅を対象にがん遺伝⼦パネル検査を⾏い、その結果にもとづいて治療薬を選択できる場合があります。
※標準治療がある場合は保険適応外のため、主治医とよく相談しましょう。
詳細は「がん遺伝子パネル検査とは」をご参照ください。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

A
現在多くの薬剤で外来通院による治療が可能となっています。治療方針については主治医とよく相談しましょう。

A
吐き気や嘔吐、骨髄抑制こつずいよくせい、脱毛、高血圧、免疫機能の過剰な働きによる副作用などがあらわれることがあります。気になる症状があるときは、我慢せずに主治医や医療スタッフに相談しましょう。
詳細は「薬物治療であらわれる主な副作用」をご参照ください。
【参考資料】
国立がん研究センターがん情報サービス 子宮頸がん「子宮頸がん 治療」(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html、2024年9月確認)
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

放射線治療について
教えてください

A
進⾏期Ⅱ期までは、手術と同様に放射線治療も根治を⽬指した治療選択肢として検討されます。また、手術後の再発リスクが中リスク以上であったり、手術による切除が不可能な進行性や再発の場合に放射線治療を行うことがあります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版, 金原出版, 2022
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

A
照射開始後、数週間以内に起こる急性障害と、治療後数ヵ月〜数年たって起こる晩期障害があります。
皮膚炎や宿酔症状、骨盤部に放射線を照射する場合は下痢や血尿、下血などがあらわれることがあります。
【参考資料】
日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

その他に注意事項があれば
教えてください

A
再発を予防する方法は今のところ確立されていませんが、心身を健康な状態に保つために生活習慣や食事習慣の改善はとても大切なことです。また、再発を早期発見するために定期的な受診が必要です。主治医とよく相談しながら、日々の生活を送りましょう。
治療終了後の受診目安については「治療が終了した後の通院期間」をご参照ください。

A
ご自身で判断せずに、主治医や医療スタッフに連絡して対応を相談しましょう。我慢せずに症状を伝えることがとても大切です。
治療中・治療後にあらわれる症状の具体例は「治療による副作用」をご覧ください。
  • 再発

    手術や薬物療法、放射線治療などの治療により、検査でがんがなくなったことを確認した後、再びがんが現れることをいいます。

  • 標準治療

    科学的根拠(エビデンス:あるテーマに関する試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な裏付け)に基づいた観点で、現在利用できる「最良の治療」であることが示され、多くの患者さんにおこなわれることが推奨される治療のことをいいます。

  • リンパ節

    身体全体にある免疫器官のことをいいます。全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあり、細菌、ウイルス、がん細胞などがないかをチェックし、免疫機能を発動する「関所」のような役割を持ちます。

  • 転移

    がん細胞が最初に発生した場所(原発巣げんぱつそう)から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。

  • リンパ節郭清

    手術の際に、がんを取り除くだけでなく、がんの周辺にあるリンパ節を切除することをいいます。がん細胞はリンパ節をとおって全身に広がっていく性質があるため、がんが転移している可能性がある部分を取り除いて、再発を防ぐことを目的としておこないます。

  • リンパ浮腫

    何らかの理由でリンパ液の運搬能力が低下してリンパ管に回収されず、組織にリンパ液がたまってむくんだ状態のことをいいます。

  • 生検

    病変の一部をとって、顕微鏡で詳しく調べる検査のことをいいます。手術や内視鏡検査時に採取したり、体外から細い針を刺して採取したりする方法があります。

  • 遺伝子検査

    遺伝子情報を知るためにおこなう検査のことをいいます。一部のがんでは、がん組織中の遺伝子を調べる検査、親から受け継いでいる遺伝子を調べる検査がおこなわれます。患者さん一人ひとりに適した個別化医療のためには、遺伝子検査の情報が必要となることがあります。

  • 骨髄抑制

    がん治療の副作用やがんそのものによって骨髄の働きが低下し、血液細胞を作る機能が低下している状態のことをいいます。

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