治療による副作用

治療を安心して継続するために、
副作用とその対策を確認しましょう

副作用の発現には個人差があり、一人ひとり症状や発現時期、症状の程度が異なります。普段と体調がちがうと感じるときは、我慢せずに主治医や医療スタッフに相談しましょう。

また、体調不良を感じたときは、いつ、どのような症状であったか、症状にあわせてお薬を服用したかなどを記録しておきましょう。

手術後にあらわれる
主な合併症・後遺症*1*2

子宮頸がんの手術は、その範囲によって治療後の経過が異なります。
手術の範囲が大きかったり、骨盤

リンパ節郭清

手術の際に、がんを取り除くだけでなく、がんの周辺にあるリンパ節を切除することをいいます。がん細胞はリンパ節をとおって全身に広がっていく性質があるため、がんが転移している可能性がある部分を取り除いて、再発を防ぐことを目的としておこないます。

を行った場合に、排尿やリンパ液の流れなどに支障をきたすことがあります。

便秘

腸の働きが悪くなり、便秘傾向となることがあります。お薬などで対応できることもあるため、我慢せずに主治医に相談しましょう。

リンパ嚢胞りんぱのうほうリンパ浮腫りんぱふしゅ

リンパ液の流れが悪くなり、リンパ液のたまった袋ができたり、むくみ(浮腫)があらわれることがあります。むくみは完治しにくいため、マッサージや運動などを心がけて日常生活に支障をきたすことがないように早めに対応しましょう。

卵巣欠落症状らんそうけつらくしょうじょう

卵巣の摘出により女性ホルモンが消失し、更年期様の症状(ホットフラッシュ、肩こり・腰痛などの身体症状、抑うつ・不安・イラつきなどの精神症状など)があらわれることがあります。症状にあわせてお薬を服用することがあります。

出血

子宮の摘出により腟から出血することがあります。月経よりも多い出血がみられるときは、我慢せずに主治医に相談しましょう。

排尿障害

進行した子宮頸がんでは手術の範囲が大きく、排尿に関わる神経に影響を与える場合があるため、手術後に排尿がうまくできなくなることがあります。

腸閉塞(イレウス)

腸の働きが悪くなり、食べ物や消化液などが腸を通過できなくなることがあります。手術後に便秘が続いたり、腹痛や吐き気、嘔吐があらわれるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

感染症(発熱)

手術による傷から細菌がからだの中に入りこみ、感染症を発症することがあります。38℃以上の発熱があるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

血栓症

血液の流れが悪くなり、足の血管の中に血栓と呼ばれる血の塊ができやすくなります。ふくらはぎの痛みやむくみ、息苦しさ、胸の痛みなどがあらわれるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

放射線治療であらわれる
主な副作用*1*2

照射開始後、数週間以内に起こる急性障害と、治療後数ヵ月〜数年たって起こる晩期障害があります。
気になる症状があるときは、早めに主治医や医療スタッフに相談し、適切なお薬などを処方してもらいましょう。
皮膚炎や宿酔しゅくすい症状、骨盤部に放射線を照射する場合は下痢や血尿、下血などがあらわれることがあります。

薬物治療であらわれる
主な副作用*1*2

特徴的な副作用があらわれることがあります。
どのような副作用があらわれやすいかを理解して、早めの対応を心がけましょう。

吐き気・嘔吐

薬物治療により吐き気や嘔吐があります。症状には個人差があるので、つらさを感じるときは、我慢せずに主治医に相談しましょう。

過敏症状

お薬の投与によりかゆみや息苦しさ、動悸、めまいなどがあらわれることがあります。普段と体調がちがうと感じるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

骨髄抑制こつずいよくせい

白血球や赤血球、血小板などの血液中の成分が減少することがあります。特に白血球の成分である好中球が減少すると感染症のリスクが高くなるため、日頃からうがいや手洗いなどの感染予防を心がけましょう。

脱毛

細胞障害性抗がん薬の投与により、脱毛があらわれることがあります。

しびれ

手足にしびれがあらわれることがあります。お薬の投与が終わっても回復に時間がかかることもあるので、症状があるときは早めに主治医に相談しましょう。

高血圧

高血圧があらわれることがあります。日頃から血圧を測定する習慣をつけましょう。急激に血圧が上昇したり、頭痛やろれつが回らないなど、普段と体調がちがうと感じるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

免疫機能の
過剰な働きによる副作用

免疫機能が過剰に働き、全身に様々な症状があらわれることがあります。普段と体調がちがうと感じるときは、我慢せずに主治医に連絡しましょう。

こんなときはすぐ病院に連絡を

手術後や薬物治療中など自宅で体調不良を感じるときは、ご自身で判断せずに、主治医や医療スタッフに連絡して対応を相談しましょう。

  • 便秘が続き、吐き気や嘔吐に腹痛を伴うとき
  • 普段よりも1日の排便回数が4回以上増加したり、発熱や強い腹痛を伴う下痢があるとき
  • 吐き気や嘔吐などにより、水分や食事がとれないとき
  • 足の痛みや急なむくみ、息切れや息苦しさ、胸の痛みがあるとき
  • 38℃以上の発熱があるとき
  • 急激な血圧上昇や強い頭痛、ろれつが回らないなどの症状があるとき
  • 強い腹痛があるとき

これらの症状は一例です。その他にも体調不良や気になる症状があるときは、
我慢せずに主治医や医療スタッフに連絡しましょう。

さまざまな症状の伝え方|がんになっても
  • 国立がん研究センターがん情報サービス 子宮頸がん「子宮頸がん 治療」(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html、2024年9月確認)
  • 日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023

「婦人科がん.jp」を
離れます

リンク先についてのお問い合わせは、
それぞれのお問い合わせ先にご連絡ください。

ご意見ありがとう
ございました