婦人科がんとは
主に卵巣や子宮などの女性特有の臓器
から発生する
悪性腫瘍です
婦人科の主な悪性腫瘍
「卵巣がん」「子宮体がん」
「子宮頸がん」
「子宮頸がん」
婦人科がんとは、卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がんなどの女性特有のがんの総称です。
本サイトでは主な婦人科がんである、卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がんについての情報をまとめています。
卵巣がん
卵巣の様々な細胞から発生します。
子宮体がん
子宮腔の子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれます。
子宮頸がん
子宮頸部(子宮の入口)に発生します。
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悪性腫瘍
細胞が無秩序に増えながら周囲にしみ込むように広がったり(浸潤)、血管などを介して身体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)する腫瘍のことをいいます(浸潤や転移をすることがなく、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと大きくなる腫瘍を良性腫瘍といいます)。悪性腫瘍は放っておくと全身に広がり、身体にさまざまな悪い影響をもたらすため、ほとんどの場合、治療が必要になります。悪性腫瘍は、身体や臓器の表面などを構成する細胞からできる「がん」と、骨や筋肉などを構成する細胞からできる「肉腫」に分類されます。
子宮のがんや卵巣がん
罹患率は増加傾向
罹患率は増加傾向
近年、卵巣がんや子宮がん(子宮体がん・子宮頸がん)と診断される女性は増加しています*1。
部位別(主要部位)女性
がんの統計編集委員会 編, 「がんの統計2023」,
公益財団法人がん研究振興財団, p52
がんの統計編集委員会 編, 「がんの統計2023」,
公益財団法人がん研究振興財団, p45
*子宮頸部 Cervix uteriおよび子宮体部 Corpus uteriを含む
婦人科がんでみられる
主な症状*2
主な症状*2
子宮体がんでは不正性器出血、子宮頸がんでは不正性器出血の中でも特に接触出血(性交時の出血)が特徴的な症状とされています。
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ウエストサイズが
大きくなった -
お腹に
膨満感がある -
不正性器出血
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不正性器出血
月経ではない出血、または閉経後に出血がある
卵巣がん | 子宮体がん | 子宮頸がん | |
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発症ピーク年齢 | 50-60代 | 50-60代 | 30-50代 |
リスク因子 | 閉経が遅い、未産婦、 高脂肪食、肥満など |
エストロゲンによる長期的な刺激(閉経が遅い、月経不順、不妊症など)、肥満、高血圧、糖尿病など | HPV感染、喫煙など |
症状 | ウエストサイズの変化や 腹部膨満感など |
不正性器出血や 帯下(おりもの)など |
不正性器出血、 接触出血(性交時の出血)など |
卵巣がんや子宮体がんの
遺伝性
遺伝性

多くのがんはエストロゲンや食生活などの環境要因により発生すると考えられていますが、
中には遺伝的な要因(体質)が主原因となって発生するがんが存在します。
卵巣がん全体の17.8%に遺伝性卵巣がん、
子宮体がん全体の1〜4%にリンチ症候群と呼ばれる遺伝性のがんが存在するとされています*2*6。
両親のどちらかに遺伝子の変化があると、生まれた子供はそれぞれ50%の確率で変化のある遺伝子を受け継ぎます*7。
もし子供に遺伝子の変化が受け継がれても必ずがんを発症するわけではなく、生涯がんを発症しない方もいます。
- がんの統計編集委員会 編, 「がんの統計2023」, 公益財団法人がん研究振興財団, p45, 52
- 日本婦人科腫瘍学会(編): 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023
- 国立がん研究センターがん情報サービス がん種別統計情報「卵巣」(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/19_ovary.html、2024年9月確認)
- 国立がん研究センターがん情報サービス がん種別統計情報「子宮体部」(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/18_corpus_uteri.html、2024年9月確認)
- 国立がん研究センターがん情報サービス がん種別統計情報「子宮頸部」(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html、2024年9月確認)
- Hirasawa A, et al. Oncotarget 2017; 8: 112258-112267
- 国立がん研究センターがん情報サービス「遺伝性腫瘍」(https://ganjoho.jp/public/cancer/hereditary_tumors/index.html、2024年9月確認)